函館市は太陽光の適地

 設計・施工は、SEエナジーの親会社である日本ライフサポート(北九州市)が担当した。太陽光パネルはドイツ企業のギャラクシーエナジー製(250W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(定格出力500kW機)を採用した(図2)。

図2●太陽光パネルは独ギャラクシーエナジー、PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用
図2●太陽光パネルは独ギャラクシーエナジー、PCSは、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用
(出所:日経BP)
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 年間発電量は約57万7000kWhを見込み、これは一般家庭約154世帯分を想定する。同社の想定する発電量は、設備利用率13%を超え、北国ながら、全国の平均的な太陽光発電の設備利用率12~13%(連系出力の1.3~1.4倍の太陽光パネルを設置する過積載でない場合の平均値)に比べて遜色ない。

 実際、稼働から1年半の稼働状況は予想通り順調という。SEエナジーの山本拓司代表は、「函館地方は、寒冷ながら雪が少なく、発電量が伸びやすい。梅雨がなく、台風も少ないなど、天候によっては福岡県の発電所よりも多く発電するなど、太陽光の適地」と話す。

 函館市の積雪量は一冬で約70cm。北海道の中でも雪が少ない。SEエナジーでは、当初、雪が滑り落ちやすいようにパネルの設置角を30度にすることを検討していたが、一度に降る雪がそれほど多くないことも考え、最終的には20度にして設置枚数を増やした。

 「工事期間中も含めて、2回冬を越したが、積雪の影響はそれほどなく、1度も除雪作業をしないで済んだ」(山本代表)という。パネルに積もった雪も、晴れて発電を始めると、半日程度で滑り落ちるという。