20年間以上の運用を想定
西彼杵半島の北部に位置する西海市西彼町八木原郷には、出力約1MWの太陽光発電所「SOL de 西海 八木原」がある(図5)。チョープロにとって、3カ所目の太陽光発電所となる。長崎県で、比較的早くから太陽光発電所を開発していたことから、不動産会社の抱える有望な土地を紹介されることも多くなり、こうして検討をはじめた土地の一つという。
土地は購入した。チョープロでは、太陽光発電所の用地は、できるだけ購入する。FITによる買取期間終了後も、運営していくことを想定しているからである。賃借契約が、地主の都合で更新されないといったリスクをなくしたいという。
この発電所は、以前、牛舎が立っていた土地を利用した。西側は木が茂り、午後には一部、影のかかるパネルも出てくる。しかし、民家に近いことから、近隣住民への配慮から、この場所の木々は伐採していない。
この木々からは、パネル上に葉が落ちてくる。そこで、汚れの目立つパネルについては、牛舎の時代に引かれた水道を使い、洗い流せるようにした(図6)。
こうした発電量の減少要因はあっても、当初の発電量の予想は常に上回っており、影がかかっていても、発電量の減少が最小に留まっているとみている。細長いセル構造のため、影に強いソーラーフロンティア製パネルの特徴を実感しているという。
発電開始後に、雨で地面が緩み、発電所の南側などの法面が崩れるというトラブルも生じた(図7)。修復した上で、金属製の網に包んだ岩石などを面状に覆い、法面の崩落を防止するといった策を講じた。
法面の修復にかかった費用約1000万円に対し、損害保険は適用されなかったという。保険の対象となるのは、発電設備や基礎などの構造物で、今回は、それらが損傷したわけではなかったからという。