長崎県で初の「メガ」

 チョープロで最初の太陽光発電所となったのは、平戸市下中野町に建設した出力約1MWの案件だった(図3)。2012年7月のFITの施行後、すぐに設備認定を取得し、同月内に着工、同年11月に売電を開始した。

図3●長崎県で初の「メガ」
図3●長崎県で初の「メガ」
平戸市下中野町にある。2012年11月に売電を開始した(出所:チョープロ)
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 この発電所は、長崎県内で初めてとなるメガクラスの太陽光発電所となった。同社では、県内の有力企業として「長崎県初のメガ」の実現を目指した。一方、平戸市もメガソーラーの誘致に注力し、黒田成彦市長がチョープロを訪問し、同市内での開発を要請したほか、用地の確保を支援した。

 土地は、長崎県が貸出候補先として公開していた場所を借りた。買い手がついていない、未活用の工業用地だった。

 この平戸市下中野町のほか、新上五島町今里郷の出力約1MW、佐々町八口免の約2MWのほか、長崎空港の隣接地の出力約29MWも、長崎県が貸出候補先として挙げていた土地に含まれていた。

 土地は確保できても、太陽光発電所を開発できるだけの技術面の知見はない。技術面は、ソーラーフロンティアの支援を得た。

 EPC(設計・調達・施工)サービスを九電工に委託することを決める前に、すでにソーラーフロンティアが発電所の基本設計や仕様を立案していた。この案を、九電工が引き継いで施工した。

 チョープロの稼働済みの13カ所の太陽光発電所はいずれも、EPCサービスは九電工が担当し、太陽光パネルはソーラーフロンティア製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用している。

 架台は、1カ所を除いて、リヒテンシュタインのヒルティ製を採用し、設置角を10度にしていることも共通している。

 O&M(運用・保守)は、チョープロが自社で手掛けている。電気主任技術者も、一部の発電所で九州電気保安協会に委託している以外は、基本的に資格を持つ自社の社員を充てている。

 売電先は、当初は九州電力だったが、現在は、チョープロが設立した電力小売事業者である、長崎地域電力(長崎県長与町)に変更した。

 長崎地域電力は、チョープロが70%、バイテックホールディングス(東京都品川区)の子会社である新電力、V-Power(同)が30%を出資して設立した。高圧需要家のほか、住宅などの低圧需要家への電力販売を手掛けている。チョープロの太陽光発電電力に加え、不足する電力はJPEX(日本卸電力取引所)で購入して供給している。