岡山県の南部、瀬戸内海沿岸には、古くから多くの塩田が開発され、海水から塩を生産してきた。江戸時代後期の1800年代に、現在の玉野市に開発された東野﨑浜塩田もその一つである。開発者の野﨑武左衛門は、一代にして「塩田王」となった。

 この東野﨑浜の塩田跡地の一角に、オリックスと中電工による合弁会社、OCソーラー(東京都千代田区)が開発・運営している出力約4.7MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「OC東野崎太陽光発電所」がある(図1)。

図1●東野﨑浜の塩田跡地に立地
図1●東野﨑浜の塩田跡地に立地
出力約4.7MWの「OC東野崎太陽光発電所」(出所:OCソーラー)
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 瀬戸内海沿岸には、塩田の跡地を活用したメガソーラーが多い。着工済みの案件としては国内最大規模となる、出力約235MWのメガソーラーが代表例で(関連ニュース1関連コラム)、玉野市から東に少し離れた、岡山県瀬戸内市の錦海塩田跡地に位置する。

 東野﨑浜でも、塩田を開発した野﨑武左衛門が創業したナイカイ塩業(岡山県倉敷市)が、現在でも製塩所を運営しているほか、塩田跡地の広大な遊休地を活用し、四つのメガソーラーが立地している。

 その一つがOCソーラーによる出力約4.7MWのメガソーラーである。

 残りの三つは、ナイカイ塩業グループのナイカイ建材(岡山県玉野市)による出力約1MW、三菱商事パワー(東京都千代田区)と中国電力の子会社であるエネルギア・ソリューション・アンド・サービス(広島市中区)による出力約14MW、JAG国際エナジー(東京都千代田区)による出力3MW(関連ニュース2)で、それぞれ塩田跡地内で隣接している。