運転手の視線を考慮して柱を配置
バスの運転手にとって、屋根材や太陽光パネルを支えるための柱は、屋根付き駐車場への出し入れの際に、車体と接触しやすい障害物になる(図10)。運転操作上、心理的な負担が加わることに対して、当初、運転手が不満を抱くのではないかと危惧したという。
実際には、「柱との接触リスクという運転操作上の負担よりも、屋根が付くことによる作業環境の改善という利点を、高く評価してくれている」という。この反響は、予想以上だったとしている。
柱の配置などには、運転手の意見を取り入れて工夫した点がある(図11)。
当初は、駐車スペースを示す白線上に、柱を配置する計画だった。しかし、駐車スペースを示す白線と柱の位置は、重ならないように離して配置し、さらに、柱の手前に視認性を高める目印を置いた。
こうすることで、入庫の際に運転手の視線に入りやすく、より安全・確実に駐車できるという。
他にも、柱の高さ1mほどの幅に、黄色と黒が交互する「トラ柄」のマグネットを張ったり、柱の周囲にポールを配置するなど、運転手の視線を考えた工夫を施した。
駐車スペースの手前には、出発時にハンドルを切る位置の目安となる目印も加えた。
また、屋根は北から南に下っていく構造なので、雨水が下っていく南端の一部には、試験的に雨どいを取り付けている(図12)。雨天時に運転手が屋根の下から歩いて移動する際、集中的に雨水がかからないようにするためだ。
今後、注意していく点の一つに、ハトなどのフンを挙げている。鉄道の駅舎のように、屋根の内外にハトが留まるようになってしまうと、フンを落とされてバスの車体が汚れてしまいかねない。
そこで、さまざまな対策を想定するとともに、それぞれの営業所の従業員に対して、エサを与えるといった、ハトを不用意に呼び寄せる行動は控えるように啓蒙している。
設置場所 | 三重交通・四日市営業所 |
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所在地 | 三重県四日市市川島町字目代4102番1 |
発電事業者 | 三重交通(津市) |
連系出力 | 450kW |
太陽光パネル出力 | 456.96kW |
年間発電量 | 約47万6600kWh(一般家庭約130世帯分の消費電力に相当) |
屋根の面積 | A棟:約1800m2、B棟:約2100m2(各大型バス44台・合計88台分) |
太陽光パネル | ソーラーフロンティア製(出力170W/枚、2688枚) |
パワーコンディショナー(PCS) | 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(出力450kW機) |
投資額 | 約2億円 |
発電開始日 | 2017年6月7日 |
売電価格 | 36円/kWh(税抜き) |
売電先 | 中部電力 |