ストリング監視と「PR」を導入

 クールアース・技術部O&Mグループの杉谷徹グループリーダーは、「落雷などで地絡過電圧継電器(OVGR)が働き、PCSが停止することは比較的、よく起こる。そうした際に気付くのが遅れると、すぐに1日や2日の発電ロスになってしまう。電気主任技術者だけに頼らず、O&M会社が迅速に初動を促すことが重要」と話す。

 不具合への対応では、ストリング監視とパフォーマンスレシオがカギになる。ストリング単位で発電量を監視・蓄積することで、不具合のあるパネルを早期に特定しやすくなる。

 加えて、サイト内に日射計と温度計を設置して、パフォーマンスレシオを評価している。パフォーマンスレシオとは、日射量と温度から予想される発電量を算出し、期待される発電性能をどの程度発揮しているか示す数値。継続的に見ていくことで、発電システムの不具合などを見つけやすくなる。

 水野部長は、「能動的なO&Mサービスで、発電量を確保している例はまだ少ない。この分野では、太陽光パネル製造にも取り組んだアドバンテックの蓄積が生かせる。他社案件も含めて、積極的にビジネス展開していきたい」と話す。

●設備の概要
発電所名矢吹太陽光発電所
住所福島県西白河郡矢吹町明新原59他(アローレイクカンツリー倶楽部)
発電事業者アドバンテックが事業設備を楽天信託に信託し、楽天信託が発電事業者となる
設置面積約32ha
出力約13MW
EPC(設計・調達・施工)サービス竹中組
O&M(運用・保守)クールアース(アドバンテック子会社)、ユアテック
太陽光パネルREC社(多結晶シリコン型・260W/枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
基礎・架台ドイツ・マウンティングシステム製の杭基礎
売電開始2015年3月