「ガス抜き管」避けてパネルを設置

 「処分場太陽光」の多くは、一見すると、平らに造成された用地にパネルを設置した一般的な野立ての発電所に見える。だが、処理場を利用する上での制約も多い。

 「建設している最中、この建設現場では、禁煙を徹底しました」。国際興業 エネルギー事業推進部 企画開発グループ 開発チームの小林且典 チームリーダーは言う。これは、処分場から発生するガスへの引火を防ぐためだ。

 実は、廃棄物の最終処分場は、埋め立て終了後も、維持管理が継続している。埋め立てられた有機系廃棄物が地中で嫌気性発酵によってメタンなど可燃性ガスが発生する恐れがある。また、覆土から浸透した雨水には有害物質が含まれる可能性もある。

 そこで、最終処分場では、埋め立て終了後、ガス抜きのための管や、地中に浸透した雨水の排水処理を一定期間、継続している。太陽光発電所の設計にあたっては、こうした施設に配慮する必要がある。

 逆に言うと、埋め立て後の空き地利用は、こうした処理場の維持管理に影響しない事業に限定される。太陽光発電所は、その数少ない用途の1つとして注目されている。

 「出雲崎ソーラーウェイ」のサイト内を見学すると、敷地の端にガス抜きのための管が所々に配置されている。太陽光パネルなどの発電設備は、こうしたガス抜き管を避ける形で設計している(図3)。

図3●ガス抜き管を避けてパネルを設置
図3●ガス抜き管を避けてパネルを設置
(出所:日経BP)
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