不等沈下に備え「連続コンクリート基礎」

 「処分場太陽光」で、施工上、大きな課題となるのが、「不等沈下」への対応だ。不等沈下とは、地盤の一部だけが沈んだり、均等に沈下しないことを指す。地盤が沈下したとしても、全体が均等に沈んでいれば、その上の建物への影響は少ないが、均等でないと、建物が傾き、損傷する原因となる。埋め立て終了後、間もない処分場では、こうした不等沈下が発生しやすい。

 そこで、国際航業では、架台の固定に際し、杭基礎でなく、「連続式コンクリート基礎」を採用した。もともと処分場では、約50cmの覆土厚を維持し、その下の埋設物に影響を与えないため、大掛かりな造成や杭基礎は使わず、コンクリートの置き基礎が一般的だ。

 加えて、置き基礎を「連続式」にすることで、局地的に沈下した場合でも、架台の梁が傾いたり、曲がったりすることを抑制する効果がある。アレイ構成は、パネル横置きで3列4段で12枚を基本としているが、コンクリート基礎に関しては、概ね3アレイ構成(パネル横置き11枚分)となる約18mを継ぎ目のない一体打ちで施工した(図6)。

図6●「連続式コンクリート基礎」を採用
図6●「連続式コンクリート基礎」を採用
(出所:日経BP)
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 ただ、こうした長大な1本基礎を現場打ちする場合、その長さだけ、ほぼ水平に造成することが前提にある。だが、覆土厚50cmを確保する必要があるため、造成は最小限に留めた。そして、約18mのうち地盤の低い箇所には、砕石を敷いてレベルコンクリートを打設することで、置き基礎を打つ部分をかさ上げした(図7)。

図7●レベルコンクリートで基礎をかさ上げ
図7●レベルコンクリートで基礎をかさ上げ
(出所:日経BP)
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