兵庫県企業庁は2016年2月、姫路市豊富町にある、神谷(こたに)ダムの壁に設置した、出力約5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の発電を開始した(図1)。

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図1●神谷ダムの堤体に設置したメガソーラー
図1●神谷ダムの堤体に設置したメガソーラー
1万9580枚の太陽光パネルを並べた(出所:上は兵庫県企業庁、下は日経BP)
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 神谷ダムは、2000年度に完成し、水道用水の供給を担っている。川の流量が多く、余裕がある時にポンプで揚水して水を貯めておき、渇水時には貯めている水を浄水場に流して利用する「揚水式貯留ダム」である。

 同ダムでは、建設時の土取場を活用した太陽光発電所が、2014年11月に稼働していた(図2)。今回は、ダムの堤体を使ったメガソーラーが発電を開始した。

図2●建設時の土取場を活用した太陽光発電所
図2●建設時の土取場を活用した太陽光発電所
神谷ダムの堤体に向かう山道の途中にある(出所:兵庫県企業庁)
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 ダムで水を堰き止める壁の役割を果たす「堤体」に、太陽光パネルを張り付けた(図3)。神谷ダムの堤体は、岩石や土砂を積み上げて築いた「ロックフィルダム」と呼ばれる方式である。

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図3●岩石や土砂を積み上げて築いた斜面にパネルを固定
図3●岩石や土砂を積み上げて築いた斜面にパネルを固定
上は設置前、下が設置後。南向き・設置角約30度に近い条件で発電できる(出所:上はノバック、下は日経BP)
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 この堤体が南向きなことから、太陽光発電に向くと考え、再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)に基づくメガソーラーの設置場所として活用することにした。