福島県などが出資する福島発電(福島市)は2015年12月、福島県大熊町に出力1.89MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所」を稼働させた(図1)。大熊町は、福島第一原子力発電所の立地自治体の一つで、原発事故により全町避難を余儀なくされ、現在も町民は避難生活を続けている。

図1●「大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所」の全景(出所:福島発電)
図1●「大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所」の全景(出所:福島発電)
[画像のクリックで拡大表示]

 同町では居住地の96%が放射線量の高い「帰宅困難区域」となっているが、メガソーラーを建設した大川原地区は、福島第一原発の西南約6kmに位置し、町内でも比較的、放射線量が低い。「居住制限区域」に区分されており、すでに除染を済ませ、「先行復興ゾーン」として、復興・再生に向けたインフラ整備などの検討を進めている。

 発電主体となった福島発電は、福島県と県内自治体のほか、県内の金融機関、企業からの出資で設立された。2014年4月に出力1.2MWの「福島空港メガソーラー」などを建設し、運営している。同メガソーラーでは、30社3タイプの太陽光パネル、5タイプの架台を採用し、地域の太陽光産業の事業者などに検証データなどを公開する(関連記事)。