太陽光パネルを1.5倍に増設

 大きな門扉を開け、「木ノ氏発電所」の敷地内に入ると、コンクリート製置き基礎が白く真新しいエリアと、薄黒くなり始めたエリアがあるのに気づく。

 実は、同発電所は2013年8月に運転を開始した後、2016年9月に約1.5倍の出力に増設した。当初は999.4kWだったが、連系出力(PCS定格出力)を変えずにパネルを2142枚(合計容量524.79kW)増設し、約1.5倍の過積載とした(図2図3)。

図2●2013年8月に稼働したエリア。パネルは京セラ製
図2●2013年8月に稼働したエリア。パネルは京セラ製
(出所:日経BP)
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図3●2016年9月に増設したエリア
図3●2016年9月に増設したエリア
(出所:日経BP)
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 PCS出力を超える太陽光パネルを設置する過積載は、一般的に1.4倍程度が適切とされている。太陽光全体のシステムロスを考慮すると、1.4倍程度にすると、快晴時の最も発電量が多い時にでも、出力を抑制することがほとんどないからだ。

 最初の建設時に、出力を1MW未満に抑えたのは、FIT開始当初、1MW以上の太陽光発電所には、専任の電気主任技術者の配置が必要とされていたからだった。その後の規制緩和により、この要件が連系出力2MW以上の特別高圧送電線に連系する設備に出力規模が引き上げられた。TMEICに相談したところ、PCSの設定を変更することで、パネル容量を増やせることが分かり、約1.5倍に増設することにした。