鹿児島県北部・伊佐市の市街から国道267号線を北上し、高熊山を過ぎると、大邸宅のゲートのようなりっぱな門構えが目に入る。石積みを模したコンクリート製の門壁には「Hayashi Solar System」と掲げられている(図1)。

図1●「ハヤシソーラーシステム木ノ氏発電所」の入り口
図1●「ハヤシソーラーシステム木ノ氏発電所」の入り口
(出所:日経BP)
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追尾型や蓄電池を導入

 この施設は、林建設(鹿児島県伊佐市)が建設した「ハヤシソーラーシステム木ノ氏発電所」だ。同社はハヤシホールディングス(鹿児島市)傘下の総合建設会社で、鹿児島県を中心に展開している。早くから環境分野にも取り組み、固定価格買取制度(FIT)を機に、グループ全体で7カ所の太陽光発電所を建設・運営している。

 7カ所のうち、連系出力1MWを超えるメガソーラー(大規模太陽光発電所)が2サイト、残りが連系出力50kW未満の事業用低圧連系発電所となる。

 「ハヤシソーラーシステム木ノ氏発電所」は、連系出力・1MW、太陽光パネル容量・約1.5MWのメガソーラーで、グループで最初の太陽光発電所となった。九電工がEPC(設計・調達・施工)サービスを担当し、太陽光パネルは京セラ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 同社は、その後、追尾式架台の採用や、大型蓄電池を併設したメガソーラーなど、新しい技術やビジネスモデルを果敢に取り入れている。