岡山市北区の山あいにあるゴルフコース跡で今年1月、出力約37MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「新岡山太陽光発電所」が売電を開始した(図1)。

図1●出力約37MWの「新岡山太陽光発電所」
図1●出力約37MWの「新岡山太陽光発電所」
2017年1月に稼働(出所:伊藤忠商事)
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 伊藤忠商事などが開発・運営するメガソーラーで、同社が参画する国内のメガソーラーとして、3カ所目の稼働となった。3カ所合計で約113MWとなる。佐賀県唐津市に施工中の約21MWなど、今後、合計200MWを目指して開発を続けていくという。

 同社の太陽光発電関連事業は、2000年代半ば、まず欧米を舞台に展開した。日本の太陽光パネルメーカー向けに多結晶シリコンのインゴットやウエハーを調達したり、逆に、日本メーカー製のパネルを欧米で販売したりする事業だった。

 欧米は、固定価格買取制度(FIT)など推進策で先行し、市場が急拡大した。そこでの太陽光関連部材の需要をターゲットにした。その後、欧米では、発電事業やEPC(設計・調達・施工)サービス事業にも参画し、メガソーラー開発や運用の経験も蓄積してきた。

 2012年7月に、日本にもFITが導入され、太陽光発電事業の環境が整ったことから、欧米での経験を生かして、国内でもメガソーラーの開発を始めた。

 日本で開発しているメガソーラーは、特別高圧送電線に連系する出力数十MW規模となっている。特定目的会社(SPC)を設立し、プロジェクトファイナンスを組成し、投資効率を高めている。リスクヘッジの観点から、パートナー企業との共同出資を基本とする。

 パートナー企業には、既存の取引先などが多いという。総合商社ならではの取引関係の広さを生かしつつ、プロジェクト開発を進めている。また、開発から資金調達、設計・施工、運用まで一貫して取り組む点も特徴としている。