非常時は太陽光のPCS1台を自立運転

 また、災害など商用電力が停電になった場合、ガス発電機6台がすべて自動的に稼働し、需要のすべてを自家発電で賄う(図6)。その際は、昼間で晴れていても、出力変動する太陽光発電は浄水施設の自家消費に使わず、いったん発電を停止する。需要変動に応じて、ガス発電機が電力を供給するマイクログリッド制御に移行する。

図6●停電時は6台がすべて稼働して電力を供給
図6●停電時は6台がすべて稼働して電力を供給
(出所:日経BP)
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 犬山浄水場にはLNGサテライト設備があり、ローリー車で運ばれてきたLNGを最大160kl貯蔵できる。これは、平均的な稼働で97時間程度(3~4日間)は浄水処理を継続できる量になる。

 非常時の場合、太陽光発電は、浄水施設に電力を供給しないが、PCSを自立運転モードに切り替えることで、最大で100kWを発電機棟の空調と照明、非常用コンセントに電源を供給できる。

 太陽光発電用のPCSは、500kW機・6台と100kW機・1台の構成で、このうち100kW機だけが自立型タイプになっている。商用系統が停電になった場合、手動で自立運転モードに切り替えることで、電力を供給できるようになる。