「昼」「夜」「停電時」で3つの運用パターン

 こうした運用を基本とし、大きく「昼間」「夜間」「停電時」で3つの運転パターンがある。平常時には、独立したマイクログリッドではなく、商用系統に連系しているので、最終的な需給バランスは商用系統が担う。一方、停電時はガス発電機によるマイクログリッド制御が基本になる。

 まず、昼間に導水ポンプを1台も運転しない場合、ガス発電機を稼働せず、メガソーラーで賄い、不足した場合は商用電力を購入、太陽光が余る場合は売電する。

 昼間に、導水ポンプを1台運転した場合はガス発電機2台、ポンプを2台以上運転した場合はガス発電機4台を稼働させる。いずれの場合も、ガス発電機の発電量は需要より300kW小さく抑え、その分を太陽光で賄い、太陽光の余剰分は売電する。天候による太陽光の出力変動や需要の小さな変動は、売電量や購入電力量が変動することで、所内系統の需給バランスを維持する。

 太陽光の自家消費分は300kWとなること多くなるが、それを超える場合もある。例えば、ポンプ3台の運転などで5.5MWの需要があり、快晴でメガソーラーがフルに発電したような場合、ガス発電機4台の稼働で4MW、太陽光で1.5MWを賄い、太陽光の余剰分は売電する(図5)。

図5●太陽光の自家消費は少なめに抑え、余剰分を売電する
図5●太陽光の自家消費は少なめに抑え、余剰分を売電する
(出所:月島機械)
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 一方、電力料金単価の下がる夜間は、商用電力の購入を基本とする。ガス発電機を止めて全量を買電する。ただ、導水ポンプの3台目が動くと電力会社との契約電力(4.5MW)を超えるため、3台目ポンプの運転前にガス発電機2台を自動で稼働させ、受電電力をピークカットする。