自家消費して余剰分をFITで売電

 PFIの中でもBTO(Build Transfer and Operate)方式を採用し、施設の建設後、所有権を愛知県企業庁に移転した。その上で、尾張 W&E が 今年4月から2037年3月まで20年間、同施設の維持管理・運営を行い、県からサービス料を受け取る形で、初期投資の回収と運営コストを賄う。民間企業の効率的な設計・運営ノウハウと、太陽光の余剰電力の売電により、財政負担を約3割削減できる見込みという。

 具体的には、企業庁の管轄する犬山浄水場、尾張西浄水場の整備・運営事業で、2浄水場の汚泥脱水設備を更新するとともに、犬山浄水場にガスエンジン発電設備と太陽光発電設備を新設した。ガス発電設備の導入量容量は6MW、太陽光は約3.1MW。いずれも常用で自家消費し、太陽光発電については、余剰分を固定価格買取制度(FIT)により売電する。

 SPCの管理は月島機械が担う。新設施設の設計・施工のうち、脱水設備を月島機械が、発電設備を三菱電機が担当した。太陽光パネルは、三菱電機製、太陽光向けパワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製、ガスエンジン発電機は三菱重工業製を採用した(図2)(図3)。

図2●太陽光パネルは三菱電機製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
図2●太陽光パネルは三菱電機製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
(出所:月島機械)
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図3●ガスエンジン発電設備は三菱重工業製
図3●ガスエンジン発電設備は三菱重工業製
(出所:日経BP)
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 また、完成後の保守・修繕については、脱水設備に関しては月島テクノメンテサービス、発電設備は三菱電機が担当する。