岡山県勝田郡奈義町にある出力約14.38MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「奈義太陽光発電所」(図1)が、今年3月に稼働を開始した。

図1●出力約14.38MWの「奈義太陽光発電所」
図1●出力約14.38MWの「奈義太陽光発電所」
奥に見えるのが那岐山(出所:BCPGジャパン)
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 奈義町は、岡山県の北東部で、鳥取県との県境に接する。町の北部には、中国地方を代表する秀峰の一つで、町名の由来となった那岐山(標高:約1255m)がそびえる。

 那岐山の南麓は、日本原と呼ばれる扇状台地が広がり、陸上自衛隊が演習場として活用している。この演習場の最寄りの拠点である「日本原駐屯地」の近隣に、メガソーラーは立地する。

 メガソーラーを開発したのは、タイ系のビーシーピージージャパン(BCPGジャパン:東京都港区)である。BCPGジャパンは、タイの石油大手Bangchak Petroleum社グループで再生可能エネルギー開発を手掛けるBCPG社の日本法人(関連インタビュー)。同法人の前身は米SunEdison社の日本法人で、2016年2月に買収し、稼働中・開発中の案件を引き継いだ。

 奈義町のメガソーラーの発電事業者は、BCPGジャパンが設立した特定目的会社(SPC)となる。

 年間発電量は、一般家庭約3700世帯の消費電力に相当する、約1636万7000kWhを見込んでいる。売電価格は36円/kWh(税抜き)で、中国電力に売電している。

 開発・建設費のうち約38億6000万円を、オランダING Bankの東京支店によるノンリコースのプロジェクトファイナンスによる融資で賄った。開発・建設費の約85%を占め、日本の一般的なメガソーラー事業に占めるローンの割合(7~8割)よりも高いという。

 BCPGジャパンは、日本で6カ所の太陽光発電所を稼働しているが、今回の案件が最大規模で、中国地方での稼働も初めてとなった。

 6カ所の合計出力は約40MW(パネル出力ベース)で、いずれもSunEdison社の日本法人が手がけていた案件を引き継いだものである(関連コラム)。