ドローンでパネル撮影も

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、IHIプラント建設(東京都江東区)が担当した。太陽光パネルは中国トリナ・ソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。いずれも、秋田県にかほ市の出力約13MWと同じである。

 トリナ・ソーラー製のパネルは出力315W/枚の製品を3万6660枚、出力310W/枚を9120枚、合計4万5780枚を並べた。

 TMEIC製のPCSは、出力750kW・直流入力1000V機を14台、設置した。

 パネルは直列20枚で接続し、ストリング(接続箱への入力単位)を構成した。ストリング数は2289となる。PCSからは交流約380Vで出力し、PCSの隣で2.2kV、連系点で66kVにそれぞれ昇圧する。

 山に近いものの、冬季にそれほど積雪しないため、太陽光パネル最低部から地面の設置高は低いところで750mm、設置角は10度としている。

 杭基礎を基本とし、地盤の状況によって杭を打ち込むのが難しい場所のみ、コンクリートの置き基礎を使った。

 O&Mは、ビーシーピージーエンジニアリング(旧サンエジソン建設)が担当している。

 SunEdison社時代から、遠隔監視などを含めてO&Mを展開している。米国の基準を応用しつつ、日本の環境に合わせた対応をしているという。

 太陽光パネルの不具合を発見するため、ドローン(無人小型飛行体)を購入して運用しており、稼働を開始したばかりの奈義町のメガソーラーでも、一部の区域でパネルの熱分布画像を撮影済みという。

●発電所の概要
発電所名奈義太陽光発電所
所在地 岡山県勝田郡奈義町
敷地面積19万7137m2
発電事業者ビーシーピージージャパン(旧サンエジソンジャパン)による特定目的会社
土地所有者奈義町、個人1名
プロジェクトファイナンスによる融資元オランダING Bank 東京支店
太陽光パネル設置容量14.38MW
パワーコンディショナー(PCS)定格出力10.5MW
年間発電量約1636万7000kWh(一般家庭約3700世帯分の消費電力に相当)
EPC(設計・調達・施工)サービスIHIプラント建設(東京都江東区)
自営線の施工中電工
O&M(運用・保守)サービスビーシーピージーエンジニアリング(旧サンエジソン建設)
太陽光パネル中国トリナ・ソーラー製 (出力315W/枚:3万6660枚、出力310W/枚:9120枚)
PCS東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製(出力750kW・直流1000V対応機:14台)
売電開始日2017年3月2日
売電価格36円/kWh(税抜き)
売電先中国電力