大阪市都島区に本社を持つ大倉(だいそう)は、物流倉庫の「サブリースシステム」で成長してきた。土地建物のオーナーから倉庫をリースし、大倉が管理しつつ、テナント企業を見つけてサブリース契約を結ぶという仕組みだ。土地建物のオーナーにとっては、テナントの有無にかかわらずリース料は一定のため、不動産から安定的に収入を得られる。

 2012年7月に固定価格買取制度(FIT)がスタートしたことから、同社の管理する倉庫の屋根上に太陽光パネルを設置し、収益性を高める仕組みを不動産オーナーに提案できないか、検討し始めた。太陽光発電の専門家などに相談したものの、「本当にどの程度の収益性があり、どんなリスクがあるのか、すっきりと納得できず、実際にまず自社の倉庫に太陽光を設置してみることになった」と、大倉・新規戦略事業部の吉田茂マネージャーは、打ち明ける。

 その実験的な意味合いを持った屋根上太陽光発電設備が、「京都第一倉庫 太陽光発電所」だ。京都府久世郡久御山町にある4階建ての物流倉庫の折板屋根に太陽光パネル420枚を設置した(図1)。太陽光パネルの設置容量は約110kW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力は100kWとなる。

図1●4階建ての倉庫の屋根上にパネル420枚を敷き詰めた
図1●4階建ての倉庫の屋根上にパネル420枚を敷き詰めた
(出所:日経BP)
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