急峻な出力変動を蓄電池で平滑化

 メガソーラーの出力は、太陽光パネル容量で約2.6MW、連系出力は1.75MWとなる(図3)。併設した蓄電池システムは、メガソーラーの急峻な出力変動を平滑化するように充放電制御し、電力系統の需給バランスに与える影響を軽減するために使われている。

図3●ミニゴルフ場跡地にメガソーラーを建設した
図3●ミニゴルフ場跡地にメガソーラーを建設した
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 事業開発とEPC(設計・調達・施工)サービスは、再生可能エネルギーの開発・運営を手掛けるユニバーサルエコロジー(名古屋市中区)が担当した。メガソーラー設備の太陽光パネルは、中国ジンコソーラーホールディング製、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 蓄電池システムは、TMEIC製を導入し、メガソーラーと連係した全体システムの設計を三菱電機が担当した。蓄電システムに組み込んだ電池ユニットは韓国LG化学製のLiイオン蓄電池、双方向型のPCSはTMEIC製を採用した(図4)(図5)。

図4●TMEICの蓄電池システム「TMBCS」を採用
図4●TMEICの蓄電池システム「TMBCS」を採用
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
図5●韓国LG化学製の蓄電池ユニットを採用
図5●韓国LG化学製の蓄電池ユニットを採用
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 太陽光発電と蓄電池からの直流を別々のPCSで交流に変換してから、合成した出力を系統に連系する「ACリンク」と呼ばれる方式で構成した。これに対し、太陽光と蓄電池からの出力を直流で合成し、1つのPCSで交流に変換する「DCリンク」という方式もある。

 ACリンクは、太陽光出力を最大化する「MPPT(最大電力点制御)」に蓄電池の出力が混じらないため、太陽光発電の電力を効率的に取り出せる利点がある。