湖沼面積で日本第2位となる茨城県の霞ケ浦。「パラカかすみがうら太陽光発電所」(図1)は、この湖の北側に位置する畑や林に囲まれた地域にある。出力約1.7MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)で、発電所名の通り、駐車場運営のパラカが発電事業者となる。

図1●霞ケ浦の北側、畑や林に囲まれた場所に位置する
図1●霞ケ浦の北側、畑や林に囲まれた場所に位置する
出力約1.7MWの「パラカかすみがうら太陽光発電所」(出所:パラカ)
[画像のクリックで拡大表示]

 パラカにとって、太陽光発電は初めての新規事業となった。これまでに4カ所の太陽光発電所を開発、運営している。

 同社は、時間貸し駐車場(コインパーキング)の開発、運営に際し、候補となる用地を賃借ではなく、できるだけ購入によって確保している。自社所有にすることで、借地契約を更新できないリスクなどを避けるのが目的という。

 コインパーキング業界では、用地は借りることが一般的で、同社のように積極的に購入する企業は珍しい。2015年12月末現在で、全国で1661カ所の駐車場を運営しており、そのうち119カ所の土地を所有している。

 太陽光発電への参入は、東日本大震災や、震災に伴う原子力発電所の事故や電力不足、その後の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の施行が契機となった。

 東日本大震災の被災地となった宮城県大崎市では、JR古川駅前でコインパーキングを運営している。古川駅前で所有する土地は、約6000坪(約1万9834m2)と広い。一部をコインパーキングとして活用している以外は、未活用となっていた。

 この未活用地を、被災者向けの仮設住宅の用地として提供することを地方自治体に提案したものの、実現しなかった。その後、この土地を活用し、FITに基づく太陽光発電所を運営することを検討した。