ソーラーワールド製の両面ガラスで世界初の「メガ」

 3番目に稼働したのが出力約1.39MWの十勝清水太陽光発電所で、稼働当初の出力約1.2MWはドイツのソーラーワールド製の両面ガラス・タイプ、後から追加した出力約125kWは、同じソーラーワールドだが片面ガラス・タイプを導入した。

 ソーラーワールド製の両面ガラスのパネル(図7)を採用したメガクラスの太陽光発電所としては、世界初の稼働だったのではないかという。設計当時、両面ガラス・タイプの太陽光パネルを市販していたメーカーは、ソーラーワールドのみだった。

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図7●ソーラーワールド製の両面ガラスのパネル
図7●ソーラーワールド製の両面ガラスのパネル
裏面からセルの形が見える。上は出力約1.39MWの十勝清水太陽光発電所、下は低圧連系の発電所(出所:上は日経BP、下はティー・ワイ)
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 低圧の発電所では、ソーラーワールド製両面ガラス・タイプ(単結晶シリコン型と多結晶シリコン型)、インリー・グリーンエナジー・ホールディング製(単結晶シリコン型)、長州産業製(単結晶シリコン型)、台湾WINAICO社製、ソーラーフロンティア製のパネルを導入した。

 高圧と低圧の発電所で、同じメーカー・品種のパネルを導入しているものもある。この場合、高圧と低圧での発電状況も検証しているという。詳細は明らかにしないものの、差のある製品もあるようだ。

 PCSについては、太陽光パネルとは異なり、最初の稼働案件(ティー・ワイ 帯広大正太陽光発電所)でGSユアサ製を採用した以外、2番目以降の高圧案件では、すべて東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製に統一している。

 EPCサービスを受託した場合も、TMEIC製を提案している。一方、低圧案件は、田淵電機製で統一している。

 PCSは、太陽光発電所の中核を担う機器で、太陽光パネルとともに、発電出力や長期の安定運用を左右することになる。このため本当に信頼のおけるメーカーの製品にこだわりたいという。

 高圧案件で使っているTMEIC製に関しては、国内メーカーであること、性能の高さ、市場シェアがトップという他の発電事業者からの評価、長期にわたる安心・安全性を評価しているという。

●発電所の概要
名称ティー・ワイ十勝清水太陽光発電所
所在地 北海道上川郡清水町羽帯
発電事業者ティー・ワイ(北海道河西郡更別村)
土地所有者ティー・ワイ
敷地面積3万3250m2
太陽光パネル出力約1.3388MW
連系出力1.0MW
設計・調達ティー・ワイ
施工山内組(北海道河西郡更別村)
O&M(運用・保守)ティー・ワイ
太陽光パネルソーラーワールド製(両面ガラス品:出力275W・4416枚、片面ガラス品:出力260W・480枚)
パワーコンディショナー(PCS)東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
基礎十勝豊西コンクリート製品(北海道帯広市)
架台北日本サッシ工業(北海道北見市)
竣工時期2014年8月
売電価格40円/kWh(税抜き)
売電先北海道電力