メガソーラーを開発・運営しているのは、ティー・ワイ(北海道河西郡更別村)となる。同社は、廃棄物処理や建設、土木資材の生産・販売などを手掛けている。土木・建築の山内組(同)を中心とするグループで、十勝を地盤に展開している。

 ティー・ワイはこれまで、グループ会社のとかち興産(同)の所有分を含めて、4カ所のメガソーラーを建設・運営している(関連コラム)。いずれも高圧配電線に連系する。このほか、低圧配電線に連系する案件も開発・運営している。

 高圧だけでなく、低圧連系の太陽光発電所も開発したのは、事業化し始めた当初、二つの理由で高圧連系案件だけを開発し続けることが難しくなると考えたからだった。

 一つは、ローカルな連系の制約を受けることである。北海道電力との連系協議の中で、接続の見通しが立ちにくい高圧案件もあった。もう一つは、開発資金の制約である。手持ち資金や通常のコーポレート融資で開発費を賄っており、案件数が積み重なってくると、企業の信用力だけでは資金調達が難しくなる可能性もあった。

 これらの完成済みの発電所は、いずれも買取価格が40円/kWh(税抜き)となっている。竣工時期は、2013年12月から2016年8月の間に分散している。時期がばらついたのは、連系先となる北海道電力の配電線が、接続可能になる時期に合わせているためである。

 北海道電力から、連系可能な時期の目安が示され次第、その時期に合わせて施工を進めてきた。グループの山内組が施工するため、施工スケジュールを調整しやすい。

 同社の開発の特徴の一つは、地域に根差している点といえる。土地は、所有している砂利採石場の跡地などを活用し(図3)、施工は山内組が担当する。基礎も帯広市の十勝豊西コンクリート製品、架台は北見市の企業から調達している。

図3●砂利採石場の跡地などの所有地を活用
図3●砂利採石場の跡地などの所有地を活用
太陽光パネルの後ろに、砂利製造用の設備が見える。「ティー・ワイ 十勝清水太陽光発電所」の施工時の2014年7月の光景(出所:日経BP)
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