5人が常駐するO&M

 O&Mは、トーエネックの担当者が2人、さらに、協力会社から3人が常駐している。トーエネックの担当者のうち1人は、第2種の電気主任技術者の資格を持ち、このメガソーラーの専任となっている。

 パネル出力が51MWという規模まで大きくなると、経済性からも、こうした常駐による管理が可能になるという。

 売電ロスを最小限に留める対策の1つとして、停止したPCSの迅速な復旧がある。連系する送電線の停電や、周辺地域への落雷によってPCSが停止することもある。例えば、夜間に停止を把握した場合、夜明けまでに電力会社の確認を経て復旧させれば、売電ロスを回避できる。

 敷地内の通路などには、各所で反射板が目に付く(図8)。夜間の復旧や点検に備えたものだ。定期点検の中にも、夜間に実施した方がよい項目もあるという。

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図8●反射板がいたるところに
図8●反射板がいたるところに
夜間の復旧や点検に備えた(出所:日経BP)
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 日常的なO&M作業の基本は、巡回による目視点検である。鳥のフンやその他の原因によって、太陽光パネルの表面が汚れていることもある。

 汚れを見つけた場合、緊急性のない程度であれば、場所を記録しておき、雨の日にまとめて洗浄している。雨が降っていれば、わざわざ水を用意しなくても、雨水を使って洗浄できる。

 作業として多いのは、刈り払い機による除草という。雑草が伸びやすい時期には、区画ごとに刈り進めていっても、他の区画を刈っている間にまた伸びてくる。3月から11月の間は、草刈りを続ける必要があると見ている。

 メガソーラーの除草を効率化する方法として、乗用型草刈機を活用する例も増えているが、同発電所の場合、起伏や斜面が多く、アレイ間が狭いことから、活用が難しいという。

 発電量の監視も、重要な任務となっている。例えば、太陽光パネルを15枚、直列に接続したストリングの単位で発電状況(電圧と電流)を確認している。このデータは、遠隔監視システムを使って把握している。

 こうしたO&Mについても、オリックスでは、標準的な仕様を定めている。津のメガソーラーの場合、トーエネックと協議して作業の内容や計画などを決めている。