電線の総延長が長くなる課題を克服

 一般的なメガソーラーでは、アレイ(パネルの設置単位)群の真ん中に敷地を空け、PCSを据えつけることが多い。そうした配置をすると、PCSから極端に離れた接続箱がなくなり、PCSまでの電線の総延長が最短になる。電線の総延長が短いほど、建設資材のコストが下がるとともに、送電ロスが減ってシステム効率が高くなる。

 「細長いメガソーラー」の場合、こうした配置ができない。6カ所のサブ変電所は10kmの発電所用地にほぼ均等に置かれているものの、PCSから遠くなる接続箱が多くなるため、電線の総延長はどうしても長くなる。そうなると、資材コストが上昇するとともに、原理的にシステム効率が下がることになる。

 建設中の「SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所」を見ると、アレイ北側のフェンス脇に一定間隔で電柱を設置し、架空線を渡している。その下の地面には樹脂製の電線管が施工されている。電線管には接続箱からPCSに向かう電線、電柱にはサブ変電所から主変電所に向かう22kVの特別高圧線が敷設されている(図5)。

図5●高架線で22kVの特別高圧を主変電設備に送電
図5●高架線で22kVの特別高圧を主変電設備に送電
(出所:日経BP)
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 フェンスに沿って折り重なるように敷設された多数の電線管を見ると、電線の総延長がいかに長いかを実感できる(図6)。ただ、東芝によると、それによるシステム効率の低下とコスト上昇は事業性に影響するほどではなく、全体設計の工夫などでカバーしたという。

図6●接続箱からPCSまでは電線管で敷設
図6●接続箱からPCSまでは電線管で敷設
(出所:日経BP)
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