エリア下手をコンクリート舗装

 この下側中央エリアへの水の流れ込みは、予想を超えるものだった。排水溝や調整池の完成後も、このエリアに設置したコンクリート基礎周りが表面流水によって、削られ始めた。そこで、上手側のアレイ間に網柵と植栽土嚢を施工して水の勢いを弱めるとともに、特に表面流水の多い下手側をコンクリートで舗装し、地盤の浸食を防いだ(図9)(図10)。この舗装工事は、パネル設置後に決断し、施工した。コンクリートポンプ車を搬入して、生コンクリートを圧送した。「設計変更により、手間とコストが膨らんだが、20年間の安定した稼働を重視して、設計変更に踏み切った」という。

図9●網柵と植栽土嚢で表面流水の勢いを抑える
図9●網柵と植栽土嚢で表面流水の勢いを抑える
(出所:日経BP)
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図10●エリア下手をコンクリートで舗装
図10●エリア下手をコンクリートで舗装
(出所:日経BP)
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 また、この下側中央エリアは水はけが悪かったため、地盤に透水管を埋め込んで周辺から誘水して、調整池に流すようにした。

 兜山プロジェクトマネージャーは、「新たに造成した用地内で水がどのように流れるかをあらかじめ正確に予測するのは難しい。カバープランツ(地被植物)が根付いて地表面が落ち着くまでは、注意深く水の流れを見ながら対応していくしかない」と話す。