シバとリッピアを下草に採用
メガソーラー敷地内に植栽するカバープランツに関しては、クローバー(シロツメグサ)を採用することが多い。ただ、クローバーは冬にいったん枯れ、雑草にやや遅れて新葉が伸びるなど、必ずしも防草機能が高くないとの見方もある。
そこで、アレイとアレイの間や法面などのカバープランツとして、クローバーに加え、シバとリッピア(ヒメイワダレソウ)を採用した。
シバは、植生シートの「ハリシバエース」を採用した。これは、15~20mmの樹脂製のメッシュに薄綿を装着し、その中にシバの種や肥料などを含めたもの。緑化したい地表面に施工しておくと、発芽してシバで覆われる(図9)。
シバの種子は、柔軟性のある薄綿の効果で、発芽まで保持され、均一な緑化が可能になる。種子をそのまま地面に散布した場合、雨水で流れるなど、緑化場所が偏ってしまうことが多い。植生シートにより、こうした種の移動を防げる。
リッピアは、茎が地面をはうように伸びる多年生の植物。シバと並んで住宅や公共施設などのカバープランツとして使われている。繁殖力が強く、害虫や他の雑草に強いなどの特徴があるという。常緑性で6~9月に白い花を付ける。
草丈は、どんなに伸びても5cm程度なのでメガソーラーの下草として利用した場合、パネルに影が出来ず、ほかの雑草を抑制する効果を期待できる。防草や保水力の向上のほか、花をつけるので、景観の向上も期待できる。