H字型の基礎で浸水と地中のガスに対応

 マリンピア沖洲には、企業局の出力2MWのメガソーラーのほか、いちごECOエナジー(東京都千代田区)の出力約2.5MW、徳島宮地電機(徳島市)の出力約2.3MWの太陽光発電所が隣接している。

 県によるメガソーラーは、当初から「民間企業による開発を促す呼び水」との位置づけだった。その狙い通り、この地区はメガソーラーの集積地となった。候補となった廃棄物処分場跡地のうち、地表が比較的、平坦でよりメガソーラーに最適な用地を企業2社に貸し、地表の凹みが目立つ場所は、県が活用することにした。

 企業局によるメガソーラーの開発では、プロポーザル方式(企画・提案方式)の公募により、EPC(設計・調達・施工)サービスなどを委託する企業を決めた。県内の企業による提案などの条件を定めた。

 この結果、藤崎電機(徳島県阿南市)の提案が採択され、同社がEPCサービスを担当した。太陽光パネルはパナソニック製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 メガソーラーの設置に際しては、廃棄物処分跡地に特有の対応が求められた。廃棄物処分場は、廃棄物の運び込みが終わった後、排水の浄化などに取り組む管理中の期間であっても、その上に建物の建設や人の立ち入りが規制されている。廃棄物の上に盛り土を被せ、浸み込んだ雨水をポンプで吸い上げて浄化後、海に流すサイクルを一定期間続ける必要がある。

 「マリンピア沖洲太陽光発電所」では、コンクリート基礎の形状がH型となっている(図2)。これは、雨水を浸水しやすくなるとともに、地中で発生する廃棄物由来のガスを地中から放散しやすくする効果がある。

図2●H型のコンクリート基礎
図2●H型のコンクリート基礎
雨水を浸水しやすく、地中で発生するガスを放散(出所:徳島県企業局)
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