8500tのセラミックサンドを敷き詰める

 同発電所の設計・施工は、広島市の建設会社、共立が担当した。太陽光パネルには、三菱電機製の単結晶シリコン型、パワーコンディショナー(PCS)には東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した(図6)。設置角は10度。パネル14枚でストリング(直列回路)を構成し、ストリング2並列で1つのアレイ(設置単位)とした。1つのアレイ(パネル28枚)は、720kgのコンクリートブロックの基礎6個で支えている。

図6●三菱電機製のパネル、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のパワーコンディショナー(PCS)を採用した
図6●三菱電機製のパネル、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製のパワーコンディショナー(PCS)を採用した
(出所:日経BP)
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 セラミックサンドは、基礎の設置工事が終了後、フェンスの外側数m分も含め、敷地全体に厚さ約20cmを敷いて、転圧した。防草シートなどは挟まず、地面に直接、敷き詰めた。その量は、敷地全体で8500tに達した。

 サイト内に足を踏み入れると、20~30mm程度の瓦の砕粒が見事に均され、思いのほか歩きやすい。石州瓦は、赤褐色の「赤瓦」が有名だが、焼成の際に付ける釉薬(うわぐすり)によって、赤のほかにも、銀色に光る「銀黒」、黒光りする「鉄砂(てっしゃ)」、黄土色の「来待(きまち)」など複数の色がある。敷かれている砕粒をよく見ると、色の着いた表面の見えるものは、こうした赤や黒、黄土色などが散らばり、無味乾燥な発電所に彩を添えている(図7)。

図7●赤や黒、黄土色など廃瓦の砕粒が散らばる
図7●赤や黒、黄土色など廃瓦の砕粒が散らばる
(出所:日経BP)
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