パネルの交換数が多い理由

 太陽光パネルの電気的な点検は、月ごとに実施する。法定では年ごとだが、不具合の兆候を早期かつ正確に把握するには、月次点検が望ましいとしている。

 電気的な点検には、アイテス(滋賀県野洲市)の点検装置「ソラメンテ」を採用している。

 まず、接続箱からストリング(太陽光パネルを直列・並列に接続し、接続箱に入力する単位)に微弱な検出用信号を流し、開放電圧と抵抗を測定する(図8)。

図8●接続箱からストリング単位で測定
図8●接続箱からストリング単位で測定
開放電圧と抵抗の異常の有無を把握(出所:日経BP)
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 この測定値で異常が見られたストリングを把握し、次に、そのストリングを構成するパネル1枚ごとにセンサーをあて、電流を検知する(図9)。電流を検知できないと、センサーが警報音を発する。こうして不具合を生じたパネルを特定する。複雑な操作や手間を必要とせず、迅速に不具合のあるパネルを特定できる利点があるという。

図9●異常が見られたストリングを構成するパネルの電流を確認
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図9●異常が見られたストリングを構成するパネルの電流を確認
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図9●異常が見られたストリングを構成するパネルの電流を確認
電流を検知できない場合、センサーが警報音を発する。手元のカラー表示でも確認できる(出所:日経BP)

 同社グループでは、一般的なメガソーラーに比べて、太陽光パネルの交換が多いのではないかという。月次点検で見つけ出す不具合が多いだけでなく、パネルメーカーが保証の対象としていないレベルの発電量の低下でも、交換することがあるためだ。

 「太陽光パネルの発電量の低下を、経年劣化と位置付けているのは、パネルメーカーの主張であって、われわれは不具合や故障だと認識している。発電量の低下をいかに早く発見し、正常なパネルに交換できるかがカギ。発電量が10%近く落ちてから気づいても、20年間の売電収入を大きくロスすることになる」(新地会長)。