「キッザニア」の職業体験学習を応用

 小中学生を対象にした太陽光発電設備を使った環境学習に関しては、施設の立ち上げで連携した「キッザニア」で蓄積された体験学習のノウハウを生かした。太陽光発電事業で重要なO&M(運用・保守)作業を模擬した「巡視点検体験」をプログラム化した。

 子供たちがヘルメットと作業着を身に着け、用意されたチェックシートを携えて、太陽光パネルを巡回し、目視点検するというものだ(図7)。

図7●「巡視点検体験」をプログラム化
図7●「巡視点検体験」をプログラム化
(出所:あすびと福島)
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 キッザニアの「職業体験型学習」を参考にしたと言っても、都内にあるテーマパークでは、あくまで模擬施設を使っている。「南相馬ソーラー・アグリパーク」では、実際に電気を生み出している本物の発電設備を使っての「職業体験」という違いがある。

 そこで、まず太陽光設備の設計段階から、子供の目線に配慮した。パネルの設置高は、最低部で約30cm、最高部でも約1mにして、子供でも細部まで見やすくした。加えて、背の低いフェンスをアレイ(太陽光パネルの設置単位)の間にまで伸ばし、「巡視点検体験用ルート」を作った。これにより子供たちは、フェンス越しに安全に巡視体験できる。

 このほか、敷地内には、パネルの設置角を変えられる可動式の架台による「太陽光発電研究装置」や、水の力と人の力を比較できる「水力発電研究装置」があり、再生可能エネルギーの原理や仕組みを分かりやすく学べるようになっている(図8)。

図8●パネル設置角を変えられる太陽光研究装置
図8●パネル設置角を変えられる太陽光研究装置
(出所:日経BP)
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