発電所間と連系点までの自営線は約8km

 鳥取大山のメガソーラーは、地域の有力者から土地を紹介されたことからはじまった。大山に近い「清水原発電所」と、北西に約1km離れた「豊房発電所」の二つの発電所からなり、それぞれ土地の状況や元の用途は異なる。

 清水原発電所は、連系出力・パワーコンディショナー(PCS)容量が約15MW、太陽光パネル出力が約20MWとなっている。豊房発電所の方が、少し規模が小さく、連系出力・PCS容量が5MW、太陽光パネル出力が約7MWである。

 清水原発電所から豊房発電所までの約1kmと、豊房発電所から中国電力の特別高圧送電線への接続点までの約7kmは、自営線を敷設して送電している。連系時の電圧は66kVである。

 両発電所とも、直流1000Vで回路を構成し、交流に変換後、所内で昇圧して送電ロスを抑える。EPC(設計・調達・施工)サービスは東芝が担当し、太陽光パネルは自社製の320W/枚、PCSは東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製の出力750kW機を採用した。

 EPCについては、複数社から提案を受けた中で、東芝の提案は、「価格と性能、信頼性などのバランスや、同じ東芝に委託していた他の地域での案件の竣工から、スムーズに鳥取大山の作業に移れる日程上の利点に加えて、土木工事を地元企業に発注するといった、地域への配慮も優れていた点も、採用の決め手の一つとなった」(ジェフ・ロイ社長)としている。