新設した倉庫棟の屋根を活用

 五霞工場で2016年12月に稼働した発電システム(図6)は、これまでの太陽光発電設備とは異なり、FITに基づいた設備ではない。経済産業省系の環境共創イニシアチブ(SII)による「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金」を活用して導入した。

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図6●五霞工場では太陽光発電電力を自家消費
図6●五霞工場では太陽光発電電力を自家消費
新たな倉庫棟の屋根上にパネルを設置。気象センサーなどは隣接する棟に置き、送電ケーブルもこの棟を経由して地上のPCSに接続(出所:上はキユーピー、下は日経BP)
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 同補助金制度は、FITを活用しない自家消費型太陽光などに初期費用の3分の1以内を補助する仕組み。FITの買取価格の低下に伴い、こうした初期投資への補助金制度を利用した自家消費型太陽光発電の事業性が相対的に高まってきている。

 自家消費の太陽光発電システムとしては、五霞工場に以前導入した出力10kWのほか、研究開発やグループのオフィス機能などを統合した複合型拠点である「仙川キユーポート」(東京都調布市)の出力約20kWもある。

 今回の五霞工場の発電システムは、出力約300kWと規模がある程度、大きいことから、工場の構内電力系統への影響、特に夏季の電力需要のピーク時の受電量の削減などに、どの程度、寄与するのかなども検証する。

 キユーピーグループが導入した太陽光発電システムは、個別にEPC(設計・調達・施工)サービスや発電設備を選定している。

 五霞工場に新設した発電システムについては、EPCサービスは、三菱化学エンジニアリングが担当。太陽光パネルは中国JAソーラー・ホールディングス製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 2016年8月に竣工した倉庫棟の屋根上に太陽光パネルを設置した。屋根上のほぼ全面に、1120枚のパネル(265W/枚)を配置した。