「防災広場」の非常用電源に活用

 メガソーラーを建設したのは、公園の「防災広場」としての機能を担わせる目的からだ。災害時に商用系統が停電した場合、メガソーラーの発電電力の一部を非常電源として活用できるようにした。日常的に稼働している系統連系用のパワーコンディショナー(PCS)とは別に、定格出力20kWの自立運転型PCSを併設しており、停電時に手動で切り替えることで電力を供給できるようにした。

 自立型PCSが電気を送る災害時の電力供給システムには、200Vと100Vの非常用コンセントのほか、EV(電気自動車)用の倍速充電器を併設した(図2)。

図2●EV(電気自動車)用の倍速充電器を併設
図2●EV(電気自動車)用の倍速充電器を併設
(出所:日経BP)
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 長門市では、地域防災計画のなかで、公共公園を防災拠点として活用することを想定している。ながとスポーツ公園もその1つで、太陽光による自立電源を確保することで、ラジオや携帯電話、パソコンなど、最低限の防災拠点の機能を維持できるようにする。

 ESSは、メガソーラー竣工時、長門市に可搬型のLiイオン蓄電池を寄贈した。メガソーラーの電力で可搬型蓄電池に充電してEVなどで運ぶことで、ほかの災害拠点などでもメガソーラーの電力を活用できる。