基礎との接点、薬剤の浸透手法なども工夫

 第2発電所の木製架台は(図5)、スギとヒノキを使った。第1発電所とは逆に、東西方向のレール状の垂木を、南北方向に傾けた桁材で支える構造となっている。

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図5●第2発電所の木製架台
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図5●第2発電所の木製架台
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図5●第2発電所の木製架台
第1発電所とは逆に、東西方向のレール状の垂木を、南北方向に傾けた桁材で支える。基礎と木材は直接、接している(出所:日経BP)

 木材の組み方や、固定用の金属部材を工夫することで、木材特有の反りなどを吸収できる構造とした。コンクリート基礎と木製架台は、直接、接して固定されている。

 木材への腐食対策では、第1発電所の木材と同じインサイジング加工による手法で薬液を浸透させた上、酸化銅・塩化ゼンルコニウム(ACQ)を加圧注入した。

 第3発電所の木製架台は(図6)、南北方向に傾けた垂木を、東西方向のレール状の桁材で支える構造は、第1発電所と同じである。ただし、木材は90mm×90mmと小さい断面とした。この断面は、一般に流通している木材と同じで、経済性が高いとしている。

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図6●第3発電所の木製架台
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図6●第3発電所の木製架台
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図6●第3発電所の木製架台
第1発電所と同じように、南北方向に傾けた垂木を、東西方向のレール状の桁材で支える。木材は90mm×90mmと小さい断面。基礎と木材は直接、接しない(出所:日経BP)

 小さな断面の木材でも必要な強度や信頼性を実現できるように、木材の組み方、固定具などを工夫した。

 コンクリート基礎と木製架台は、直接、接しないように固定した。両者の間に樹脂の緩衝材を挟み、木材の腐食を防いでいる。

 また、木材の腐食対策では、十分に乾燥させた材(乾燥材)を採用した。生木に近い木材では含水率が高いため、木の含む水分が邪魔をし、薬剤が十分に浸潤しない場合があるとしている。