構造や工夫が異なる木製架台

 第1~第3発電所では、それぞれ異なる木製架台を導入した。

 第1発電所の木製架台は(図4)、南北方向に傾けた垂木(パネルを直接支える部材)を、東西方向のレール状の桁材で支える構造となっている。

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図4●第1発電所の木製架台
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図4●第1発電所の木製架台
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図4●第1発電所の木製架台
南北方向に傾けた垂木を、東西方向のレール状の桁材で支える。基礎には木材が直接、接しない(出所:日経BP)

 主に105mm角のスギの間伐材を使うなど、部材をできるだけ共通化し、種類を最小にすることで、施工性を高め、コストを削減した。

 コンクリート基礎と木製架台は、直接、接しないように固定した。コンクリート基礎と接触する部分は、架台で最も腐食などが進みやすいため、コの字型の金属製固定具を使い、木製架台をコンクリート基礎に接しないように組んだ。

 部材の接合には、木製のネジも使った。木材の反りなどに対応するには木製ネジで止める工法が適しているという。また、予備のネジ穴を空けており、経年劣化などによって、接合強度が落ちてきた場合、ネジを追加で打ち込めるようにした。

 また、木材への腐食対策では、木材の表面に線状の掘り込みを入れることで、防腐防蟻薬液が浸透する表面積を増やした上、「真空→高圧力→真空」という加圧処理(インサイジング加工)により、木材の内部に薬液を染み込みやすくした。