同庁は、播磨科学公園都市を開発・運営している。3つの太陽光発電所は、同都市内で、今後20年間以降に、産業用地や分譲住宅用地として利用が見込まれている区画で、日照に比較的、恵まれているなど、太陽光発電の条件が良い土地に開発した。

 例えば、「第1発電所」は、分譲住宅用地を活用している。当初、想定していた土地の中には、小学校への通学路があり、この道の両端にフェンスを立て、メガソーラー(大規模太陽光発電所)を設置する計画を立てた。

 しかし、通学路がフェンスや太陽光パネルに挟まれたような環境では、小学生に心理的な悪影響を及ぼしかねないことを考慮して、設置面積を縮小した上、通学路と発電設備が隣接しないような配置に変えた。

 第1発電所と第2発電所の買取価格は36円/kWh(税抜き)で、その後、さらに土地が使えることがわかって開発した第3発電所のみ、32円/kWh(同)となっている。

 兵庫県企業庁では、未利用の所有地のほか、ダムの堤体にもメガソーラーを開発してきた(権現ダムの出力約1.76MW平荘ダムの1.61MW神谷ダムの4.99MWのメガソーラー探訪)。

 播磨科学公園都市の3カ所の太陽光発電所でも、他の発電所と同じように、公募型プロポーザル方式によって、EPC(設計・調達・施工)サービスなどを担う企業を決めた。このため、EPC事業者や導入した発電設備などは、それぞれ異なっている。

 第1発電所は、EPCをNTTファシリティーズが担当し、太陽光パネルはフジプレアム製、PCSは日立製作所製と山洋電気製を採用した。

 第2発電所は、EPCを早水電機工業(神戸市長田区)が担当し、太陽光パネルはソーラーフロンティア(東京都港区)製、第3発電所は、EPCを西部電気建設(神戸市灘区)が担当し、太陽光パネルはノーリツ(神戸市中央区)となる。PCSはいずれも東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 架台については、3つの発電所とも、木製を使っていることで共通している。