商社機能の強化で市場ニーズ把握

 住宅向けに独自ブランドの高効率パネルを投入したのは、商社機能の拡大につれて、市場ニーズを把握しやすくなったことが大きい。住宅向けに安価で高性能なパネルの需要が高まっているという。

 メガソーラー事業に関しては、すでに稼働している17カ所(約40MW)は、買取価格36円/kWhの案件が主体だった。現在、進めているプロジェクトは、32円/kWhが中心になるという。また今後は、新規案件のほか、稼働済みメガソーラーの発電量を伸ばすような運用面での工夫にも取り組んでいくという。

 同社は、潤沢な手元資金を持つことから、ファイナンスを付けずに自己資金で発電所を建設してきた。そのため開発規模を大きくしてプロジェクトファイナンスを組成する必要がなく、2MW弱の高圧連系案件を数多く開発してきた。

 今後も、そうした方針は変わらないが、太陽光以外の再エネ、例えば、バイオマス、風量、小水力などの開発も目指しており、すでに実証的に運用しているものもあるという。

 ファイナンスの制約を受けず、将来性とリスクを自ら判断しつつ、再エネ事業を展開できるDMMが、次にどんな方向に向かうのか、注目される。

設備の概要
発電所名 DMMソーラー 宝達発電所
所在地 石川県羽咋郡宝達志水町
発電事業者 DMM.com
太陽光パネル出力 2.424MW
連系出力 1.99MW
年間予想発電量 約262万2768kWh
EPC(設計・調達・施工)サービス プロスペックホールディングス(名古屋市)
O&M(運用・保守)サービス プロスペックホールディングス
太陽光パネル ハンファQセルズ製(「ソーラーワン」ブランド、260W・60セル/枚)
パワーコンディショナー(PCS) 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製
架台 ネクストエナジー・アンド・リソース製(「武蔵」)
連系開始 2015年9月
売電価格 36円/kWh(税抜き)