強風で杭の地際が浸食
一方で、思わぬ課題も出てきた。杭基礎の一部で、地際の土壌が風で飛ばされ、10~20cm程度、掘られていることだ。杭基礎は2m程度、打ち込んでいるため、いまのところ強度上、問題はないものの、今後、浸食の状況を見つつ、土壌の補充も検討している(図6)。
「宝達発電所」は、一部農地だった遊休地を賃借し、農地転用によってメガソーラーに活用した。その際の条件が、「造成せずに地なりに設置すること」だった。そのため砂地の地盤に、そのまま杭基礎を打ち込んで架台を設置した。
アレイ外側の杭基礎を中心に、地際が下側に露出しており、強風が杭にぶつかってその下の地盤を巻き上げていると見られる。積雪深を抑える作用ではプラスに働いた強風が、砂地土壌の浸食という点で悪影響を与えている。
ただ、同社は、サイト内の砂が風で飛ばされることによる周辺への影響については、事前に対策を打っている。隣接地にはブドウ畑があるため、収穫期にはフェンスに防塵ネットを張って、畑に砂が吹き込むことを防いでいる。この飛砂対策のため、これまで隣接する農家からのクレームなどはないという(図7)。