手が届く紋別市内のみで開発

 同社の鶴見誠一郎社長によると、同社では、太陽光発電所の開発に際して、いくつかの条件を設けてきた。

 まず、立地を紋別市内に限っている。事務所から近い場所なら、毎日にでもすべての太陽光発電所を見回って目視チェックできる。そこまで現場確認すれば、安全で、かつ発電ロスを最小に抑えながら長期間、運営できる(図2)。

図2●毎日一度はすべての発電所を見回る
図2●毎日一度はすべての発電所を見回る
出力1.5MWのハッピーサービス太陽光新生発電所。冬季には積雪するため、重機による除雪の負担も(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]

 手の届く範囲でなければ、不具合などを早期に発見できず、適切な管理や運営を実現できないと考えている。

 紋別は、積雪地域で、気温も低い。温暖化の進んだと言われる近年でも、1月下旬にはオホーツク海から流氷が近づき、港に接岸する(図3)。

[画像のクリックで拡大表示]
図3●例年1月下旬には流氷が近づく
[画像のクリックで拡大表示]
図3●例年1月下旬には流氷が近づく
[画像のクリックで拡大表示]
図3●例年1月下旬には流氷が近づく
12月下旬の取材時には、多くの漁船がすでに陸揚げされ、流氷の接岸に備えていた(上)。流氷が接岸すると、砕氷船が観光客を乗せて出港する(下:2016年2月に撮影)(出所:日経BP)

 こうした地域において、冬季でも毎日、発電所内を巡視するためには、重機を使った除雪が負担となるが、発電所を適切に運用することを優先している。