三菱マテリアルは2017年12月19日、都内で会見を開き、子会社である三菱電線工業(本社東京)で新たな品質データの偽装が見つかったことを公表した。

2017年12月19日に都内で開かれた、三菱マテリアルら3社による品質データの偽装に関する会見の様子。右から2番目が三菱マテリアル社長の竹内章氏
2017年12月19日に都内で開かれた、三菱マテリアルら3社による品質データの偽装に関する会見の様子。右から2番目が三菱マテリアル社長の竹内章氏
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 三菱電線工業で新たに品質データの偽装が見つかったのは、電子機器のノイズフィルターやモーターコイルなどに用いられる平角マグネットワイヤだ。商品名は「メクセル」。同製品は最小1.5μmという薄い皮膜による絶縁の確保を特徴とする。

 2016年12月1日~2017年11月30日の1年間に出荷したメクセルのうち43ロットで、絶縁の被膜の厚さなどの寸法が顧客との間で取り決めた仕様の範囲外だったにもかかわらず、仕様の範囲内の数値に書き換えている可能性のある製品が見つかった。三菱電線工業によると、出荷先の5社にデータ偽装の事実を説明済み。現在、安全性の確認を急いでいる。2017年12月13日以降に出荷された製品については品質データの偽装がなかったことを確認したという。