今年一番優れたクルマを決める——。2017年12月11日、日本を代表する“クルマの賞典”「2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考会が都内で開かれた。最新技術を搭載した31車種の中で、最終選考会に進んだ車両は10車種(図1)。栄えある頂点に輝いたのはあの欧州車だった(関連記事:本命不在の“クルマの賞典”、10車種が頂点争う)。

図1 「2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー」、最終選考会に進んだ10車種
図1 「2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー」、最終選考会に進んだ10車種
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Volvo社「XC60」が受賞

 その車両とはスウェーデンVolvo社のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC60」である(関連記事:Volvo社の中型SUV「XC60」操舵支援で衝突回避)。実行委員会によれば、扱いやすいボディーサイズの中に、SUVにとって必要な快適性や機能性、運転の楽しさなどの要素を詰め込むことに成功していること。さらに安全装備の充実や、プラグインハイブリッド車(PHEV)などパワートレーンの多様性を高く評価したという(図2)。

図2 Volvo社のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC60」
図2 Volvo社のSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC60」
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 2017年の改良で2代目となったXC60。最大の特徴は、操舵支援によって前方の障害物や対向車、後側方の車両との衝突を回避できるようにしたこと。前方の障害物との衝突回避で自動ブレーキに加えて操舵支援の機能を備えた車両は、Volvoブランドとして初めてだ。

 運転支援用センサーは、単眼カメラとミリ波レーダーを一体化してフロントウインドー上部の室内側に設置。センサーモジュールは米Delphi社製、カメラの画像認識用ICはイスラエルMobileye社製である。Volvo初となるステアリング・サポート(衝突回避支援)機能は、自動ブレーキで前方の障害物(先行車や歩行者、自転車、大型動物)との衝突を回避できない場合に、運転者がステアリングホイールを回転させると電動パワーステアリング(EPS)で操舵力を支援し、衝突を回避する仕組みだ。衝突回避できる車速は60km/hまでで、システム作動範囲は、50k~100km/hである。