米Qualcomm Technologies社(以下、Qualcomm)のKeith Kressin氏(Senior Vice President, Product Management)らは、ハワイで開催中の「Snapdragon Tech Summit 2017」(12月5日~7日)の2日目の基調講演で、モバイル機器向けプロセッサーSoCのハイエンド製品「Qualcomm Snapdragon 845 Mobile Platform」の詳細を発表した(ニュースリリース、Kressin氏のブログ)。2017年1月に発表した、これまでのハイエンド製品「Qualcomm Snapdragon 835」(関連記事1、関連記事2)の後継に当たる。
Snapdragon 845は、韓国Samsung Electronics社の10nmプロセス「10LPP」で製造する(関連記事3)。10LPPは、Snapdragon 835の製造に使われているSamsungの10nmプロセス「10LPE」の改良版である。製造プロセスが同じ10nmで最適化されたとの同様に、Snapdragonの基本アーキテクチャーは同じながら各回路ブロックの性能や機能を向上させた。例えば、CPUコアの最大動作周波数はSnapdragon 835の2.45GHz(Kryo 280)からSnapdragon 845の2.8GHz(Kryo 385)に上がった。LTEモデムは「X16」から「X20」に代わり、下り方向の仕様がCategory 16からCategory 18になり、ピーク速度は1Gビット/秒から1.2Gビット/秒に向上した。
GPUコアは「Adreno 540」から「Adreno 630」に代わり、グラフィックス処理性能は30%向上し、表示スループットは2.5倍になった。また、VR(Virtual Reality)での没入感を向上させる「Room-Scale 6-DoF(6 Degrees of Freedom)」や「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」に対応する。これで、Snapdragon 845搭載のVRグラスを付けたユーザーが実際の部屋の障害物を避けながら歩くことで、VRグラス中の仮想空間を動くことが可能になるという。