東レは2017年11月28日に都内で会見を開き、子会社の東レハイブリッドコード(THC、本社愛知県西尾市)で一部の製品の品質データを書き換えて出荷していたと発表した(ニュースリリース)。THC社では、タイヤやベルトなどの補強材であるコード類(繊維製品)を手掛けている。

2017年11月28日に都内で開かれた会見で発言する東レ社長の日覚昭広氏
2017年11月28日に都内で開かれた会見で発言する東レ社長の日覚昭広氏
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 THCがデータを偽装していたのは、タイヤの形状を保持する補強材のタイヤコードや自動車のブレーキホースやベルトに用いられる補強材の産業用コード。約4万件のデータを調査した結果、うち149件で顧客と取り決めた規格値から外れた検査データを規格内に書き換えていた。対象となる製品の質量は400数十t、金額は最大1億5000万円程度だという。出荷先は13社になる。

 検査データの書き換えが始まったのは2008年4月で、問題が発覚する2016年7月まで続いていた。同年8月以降は再発防止策を講じて出荷しているという。今回の検査データの書き換えは、顧客と取り決めていた規格値の上下限からわずかに外れていた時、例えば「(コードの強度に関する)規格値が260N以上であるところ、検査値が258Nだった時に260Nと書き換えた」(同社)という。