三菱電機は2017年11月22日、報道機関向けにパワーデバイス事業の説明会を開催した。同事業の責任者である、同社 常務執行役 半導体・デバイス事業本部長の眞田享氏が登壇(図1)。三菱電機の主力のSi IGBT(以下、IGBT)モジュールを中心に、SiCパワーデバイスを加えて、パワーデバイス事業を「市場全体の成長率を上回るペースで成長させる」(同氏)と意気込んだ。

図1 登壇した三菱電機 常務執行役 半導体・デバイス事業本部長の眞田享氏
図1 登壇した三菱電機 常務執行役 半導体・デバイス事業本部長の眞田享氏
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 三菱電機の調べによれば、IGBTモジュールの世界市場規模は、2017年度で約37億米ドル。その後、年平均成長率6%ほどで伸長し、2022年度には約50億米ドルに達すると見込む(図2)。同社は、パワーデバイス事業をこのペースを上回る年平均成長率10%で拡大する目標を掲げる(図3)。この結果、同事業の売上高を2017年度の1300億円から、2022年度には2000億円に成長させたいとする。営業利益も伸ばす考え。2017年度上期で、営業利益率は「約7%」(眞田氏)。これを2022年度に10%にすることを狙う。

図2 IGBTモジュールの世界市場規模
図2 IGBTモジュールの世界市場規模
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図3 パワーデバイス事業の売上高目標
図3 パワーデバイス事業の売上高目標
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 この目標を達成するために、IGBTやSiCショットキー・バリア・ダイオード(SBD)、SiC MOSFETのチップと、そのチップを収めるパッケージの研究開発に一層注力することで、競合との差異化を図る。中でも自信を見せるのが、SiCパワーデバイスである。