米Autodesk社がラスベガスで開催した「Autodesk University 2017」(2017年11月14~16日)の展示会場では、ジェネレーティブ・デザインの試行例の展示があった。さらに、展示会場自体のレイアウト決定にジェネレーティブ・デザインを利用、人の動線を斜め方向に伸びる通路で誘導するようになっていた。

ジェネレーティブ・デザインによる試作

 米Lightning Motorcycle社が製作した、電動二輪車用のスイングアーム。既存の二輪車「LS-218」のスイングアームと同等の剛性を確保した上で、ジェネレーティブ・デザインによって大幅に軽量化した。3Dプリンターで造形した砂型を使って鋳造した。

図1 ジェネレーティブ・デザインで軽量化した二輪車用スイングアーム
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図1 ジェネレーティブ・デザインで軽量化した二輪車用スイングアーム
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図1 ジェネレーティブ・デザインで軽量化した二輪車用スイングアーム
左がスイングアーム、右がそれを鋳造するための砂型。

 マグネシウム合金のダイキャストを手掛ける米Aristo Cast社が試作した航空機用シートのフレーム。ジェネレーティブ・デザインによるラティス構造で、既存のシートフレームと同等の強度を維持したまま軽量化。質量を54%削減できたうち、ジェネレーティブ・デザインによる効果が30%、マグネシウム合金の採用による効果が24%だった。3Dプリンターで造形したものを原型にしてダイキャストを実行。試算では、旅客機「A380」(Airbus社、615席)に採用したとすると、20年間で2億米ドル分もの燃料を削減できるという。CO2の削減効果も12万6000トンに及ぶ。

図2 ラティス構造で軽量化した航空機用シートフレーム
図2 ラティス構造で軽量化した航空機用シートフレーム
3Dプリンターで造形した型を基にダイキャストで製作。
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