Siパワーデバイスに比べて、インバーターやコンバーターといった電力変換器の電力損失を大幅に削減できるSiCパワーデバイス。実用化まで長い道のりを経たものの、今では白物家電や太陽光発電システムのパワーコンディショナー、鉄道車両の駆動用モーターを動かすインバーターに採用されている。加えて、最近では一部の電動車両で採用が始まった。

 このSiCパワーデバイスの第一人者が、京都大学名誉教授でSiCアライアンス 会長の松波弘之氏である。同氏は、科学技術分野における国際賞である本田財団の「2017年本田賞」を受賞した。その授賞式を行うイベントが2017年11月16日、都内で開催された(図1、2)。受賞理由や関係者からの祝辞が述べられた後、松波氏による記念講演が行われた。講演では、「クレイジーボーイ」と自ら称する松波氏が、あきらめずに長年SiCの研究に取り組んできたのか、その歴史を振り返るとともに、SiCパワーデバイスの普及促進に向けた取り組みなどを紹介した(図3)。

授賞式の様子
図1
授賞式の様子
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受賞で送られる記念品
図2
受賞で送られる記念品
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記念講演を行う松波氏
図3
記念講演を行う松波氏
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