スーパーコンピューターの性能ランキング「TOP500」の最新版が2017年11月13日(米国時間)に発表された(発表資料)。1位、2位は前回までと同様に中国の「Sunway TaihuLight」と「Tianhe-2(天河2号)」がそれぞれ占め、3位のスイス「Piz Daint」も前回と同じだった(関連記事)。性能の計測値(Rmax)も前回と変わらない。Tianhe-2は、中国製アクセラレーターを利用した改良版の開発が進んでいるが、今回のランキングには間に合わなかったようだ(関連記事)。

 その中で目を引くのが、日本のベンチャー企業PEZY Computingと、そのグループ企業が開発するスパコンの躍進ぶりだ。PEZYグループが開発を手掛け、海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所設置された「Gyoukou(暁光)」がTOP500の4位につけた。Rmaxは19.14PFLOPSと、3位のPiz Daintの19.59PFLOPSと僅差だった。

「Gyoukou(暁光)」の外観
[画像のクリックで拡大表示]
「Gyoukou(暁光)」の外観
2017年6月に撮影した。

 さらに目立つのが省エネスパコンのランキング「Green500」である。PEZYグループが開発するスパコンが1~3位と5位にそれぞれ入った。Gyoukouが電力効率14.173GFLOPS/Wで5位につけた上、1~3位に新開発のシステムがランクイン。電力効率は首位の「Shoubu system B」(設置場所は理化学研究所)が17.009GFLOPS/W、2位の「Suiren2」(同・高エネルギー加速器研究機構)が16.759GFLOPS/W、3位の「Sakura」(同・PEZY Computing)は16.657GFLOPS/Wで、4位に入った米NVIDIA社の「DGX SaturnV Volta」の15.113GFLOPS/Wを引き離した。前回首位の東京工業大学「TSUBAME3.0」は6位で13.704GFLOPS/Wだった注1)

注1)前回のランキングでGreen500の2位だった「kukai(クウカイ)」は、システム全体の性能がTOP500以内に入らなかったため、今回は選外になった。