来日した米Tektronix社のオシロスコープ事業の責任者である、Christopher Witt氏(Vice President & General Manager, Time Domain Business Unit)に話を聞いた。オシロスコープに対するニーズの変化に対応するため、新たな戦略を立てた。同社はその戦略に沿った新製品の第1弾を2017年11月14日に発表した。

Christopher Witt氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。
Christopher Witt氏。日経テクノロジーオンラインが撮影。

 Witt氏によれば、昨年(2016年)に創業70周年を迎えた同社は(関連記事1)、基本的な戦略を変更した。それまではモノ(計測器)を売っていたが、これからは(計測)ソリューションを提供するようになった。全社の基本戦略の変更に沿って、同社で最大の事業であるオシロスコープ事業でも新戦略を採ることにした。

 新戦略の背景には、計測を巡るさまざまな変化がある。その中で最も大きいのが、計測対象の技術変化のペースが速まっていることだ。そのペースに合わせる形で、オシロスコープも変る(進化する)必要がある。「計測器というと、早くても2年~3年経たないと新製品が出ないと、ユーザーには思われていた。我々もそのペースに合わせていた節がある」(Witt氏)。もちろん、これまでも、次の新製品が出るまでに、ソフトウエアが追加になったり、細かなバージョンアップがあったりした。

 今回のオシロスコープ事業の新戦略では、そうした追加やバージョンアップを含めて、新機能や新仕様がユーザーの目に見えやすい形にしていく。新機能や新仕様には、ハードウエアもソフトウエアも含まれる。社内では、新機能や新機能をまとめて「ボックスカー」と呼ぶ。これを定期的に発表していく。主力の機種では、1年に数回、ボックスカーを市場投入するという。