「Movidius Neural Compute Stick(Movidius NCS)」は米Intelが2017年7月20日に発売した、安価なDNN(Deep Neural Network、深層学習)アクセラレーターである。注目の人工知能(AI)技術であるDNNが手軽に使えるようになる。

届いたMovidius NCSを早速開封したところ
届いたMovidius NCSを早速開封したところ
[画像のクリックで拡大表示]

約1万円でDeep Neural Networkを実行可能

 USBスティック形状になっており、USB 3.0でパソコンなどに接続して使え、学習済みのDNN推論モデルを高速実行できる。Intel傘下の米Movidiusが開発し、7月21日からハワイで開催された国際学会「CVPR(Computer Vision and Pattern Recognition)」の来場者向けに79.99米ドルで先行販売した。

 筆者はこのニュースに興奮していた。というのは、この製品を使えば高性能CPUや専用GPUがない環境でも、USBに挿すだけで最新のAI技術であるDNNが使える。これが画期的だからだ。低スペックのマシンでも、DNNの技術が活用できるといろいろ面白いことができそうだ。早く入手して試したいと考えていたが、なかなか国内では入手が難しかった。

[画像のクリックで拡大表示]
サイズは72.5x27x14mm。穴が空いたデザインは放熱を考慮した形状と思われる
[画像のクリックで拡大表示]
サイズは72.5x27x14mm。穴が空いたデザインは放熱を考慮した形状と思われる

 この10月中旬になってようやく国内でも数社が販売を始めた。今回、その1社であるスイッチサイエンスから「Movidius NCS」1基を購入できた。価格は1万800円。早速使ってみた感想をお届けしたい。なお、スイッチサイエンスが同製品を発売したのは10月24日で当日中に完売した。筆者のようにこの製品の国内発売を待ち望んでいた技術者は思いのほか多かったようで、発売に気づいて買えて本当によかった。

* 国内ではスイッチサイエンスのほかに秋月電子通商も販売したが、同様にすぐ品切れになった。電子部品通販の米Mouser Electronics、英RS Componentsなども国内向けに販売している模様だ。なお、スイッチサイエンスは11月7日から販売を再開している。